きれいな字とは?

一概に「きれいな字」といっても、どのような字のことをきれいな字と呼べるのでしょうか。

 

字を上手に書かえるように練習する前に、まずは「きれいな字」とはどのような字であるのかを頭で理解しておきましょう。

 

きれいな字の特徴とは?

 

きれいな字の定義として、絶対にはずせない2つのポイントがあります。それは、まっすぐな線がきれいに引けていることと、字のバランスがとれていることです。

 

字は線と点の組み合わせで出来ています。その中でも、まっすぐな線には「止める線」「払う線」「はねる線」の三種類がありますが、これら頻繁に使う線をきれいに書けないと(つまりまっすぐに線を引けないと)字はきれいに書けません。

 

逆に、すべての線がどれかに分類されますから、まずはこの三種類の線を上手に書ければよいとも言えます。

 

もうひとつのポイントである「字のバランス」についてですが、最初のポイントである「まっすぐな線をきれいに書く」ことができないと、上手くバランスをとることもできなくなります。ですので、まずはまっすぐな線をきれいに書くことを意識し、その上で字のバランスをとっていくことが求められるのです。

 

バランス次第で全体の印象が変わる

字そのものはきれいなのに、文章全体を眺めるとなんとなくきれいに見えないということはないでしょうか。逆のパターンで、字そのものは上手というわけではないのに、非常にまとまって見えることもあります。

 

これは、文章全体として見たときのバランスの影響によるものです。字そのもののバランスも大切なのですが、実はそれ以上に全体のバランスが整っていることが重要なのです。

 

では、全体のバランスを整えるためにはどうすればいいのでしょうか。

 

それは、文章に「中心線を通す」ことです。文章として字を書いたときに、中心線が通っているかいないかで印象は劇的に変わります。

 

どんなに字をきれいに書いてたとしても、文章として中心線が通っていなければ字はきれいに見えないのです。ですので、きれいな字を書きたいのであれば、それと同じくらい(もしくはそれ以上に)文章に中心線を通すことを意識して下さい。

バランスの取り方

きれいな字を書くためには、まずは字そのもののバランスがとれていることが大切です。

 

ここでは、バランスを取るために必要な方法について確認してみましょう。

まずは書く位置と体の中心を合わせる

バランスのよい字を書くには、書く位置と体の中心を合わせておく必要があります。

 

書く位置とは、これから自分が書こうと思っている行のことだと思って下さい。便箋のように最初から線が入っているものであれば、これから書こうとしている行のことになりますし、もし線が入っていない紙に書くのであれば、自分で行をイメージして下さい。

 

次に、先ほどイメージした行と自分の体の中心(おへそ)を合わせます。

 

字や文章の中心を意識すべきときに、体の中心が書く位置と合っていなければ、とてもじゃないですが、きれいな字・文章にはなりません。バランスの取れた字を書く前提として、書く位置と体の中心を合わせることを忘れないで下さい。

 

実際に文章を書いていくと、体の中心と書く位置が少しずつずれていく傾向にありますから、そうなった場合は(体を動かすのではなく)紙を動かして、書く位置を体の中心に合うように修正するようにします。

 

字の中心(線)を考える

そして最後に、字そのものの中心を考えます。

 

ご存じのとおり、日本語には「漢字」「ひらがな」「カタカナ」とありますが、字の中心の考え方は一緒です。その字の外形をとったちょうど真ん中の位置が中心になり、中心を通る縦にまっすぐな線が中心線となります。

きれいな字とは?

字のバランスを取るときは、この中心線を意識することが特に重要になります。

 

最も分かりやすい例として、漢字の「十」を書いてみて下さい。「十」は縦画がちょうど中心を通る字なので分かりやすいのではないでしょうか。

 

このように、中心をはっきりと通る線がある場合はバランスを取りやすい反面、少しでも中心からずれると一気にバランスが悪くなります。バランスが取れているかどうかが分かりやすい漢字であるからこそ、最大限の注意を払って書くようにしましょう。

 

その他に注意して欲しいケースとして、中心線を境にほぼ左右対称になるように書く漢字があります。例えば「日」という漢字が該当しますが、やはり字の中心が中心線を通っていないと非常にバランスが悪く見えてしまいますので注意が必要です。

正しいペンの持ち方

きれいな字を書くためには、ペンの持ち方も大切なポイントになります。ペンの持ち方は自己流になっている人が多いので、正しい持ち方ができているかチェックしてみましょう。

 

正しいペンの持ち方とは?

正しいペンの持ち方ですが、言葉で説明するより実際に写真を見てもらった方が早いと思いますので、下の写真と自分の手を見比べながら、正しい持ち方になっているか確認してみて下さい。

きれいな字とは?

 

きれいな字とは?

 

きれいな字とは?

 

ボールペンは、紙に当てた時の角度が、横から見たときにだいたい50度くらいになるのが良いと言われています。また、後ろから見たときに少し右側に傾けて書くようにすると、自分の書いた字を手で隠すことなく、しっかりと確認しながら書くことができるようになります。

 

きれいな字とは?

 

ボールペンは、親指・人差し指・中指の三本の指でしっかりと持ちますが、ペンの胴体の部分は、人差し指の第二関節から親指の付け根あたりに置くのが一般的です。

 

こんな持ち方になっていませんか?

よくあるケースとして、ペンの持ち方の悪い例をいくつか紹介したいと思います。自分のペンの持ち方が、ここで紹介する例に当てはまっていないかチェックしてみましょう。

悪い例1:人差し指が逆さに反っている

恐らく、間違ったペンの持ち方で一番多いのが、人差し指が逆さに反っているケースだと思います。

 

人差し指に力が入りすぎて、正しい持ち方とくらべて逆に反ってしまっています。ペンを固定させようとしすぎているためこのような持ち方になるのですが、これではかえってきれいな字は書くことが難しくなってしまいます。

 

急に正しい持ち方に変えると違和感があるのもこのケースの特徴ですが、長い目で見て早めに矯正しておくのがいいでしょう。

 

悪い例2:ペンを垂直に持っている

ボールペンを指全体で力強く握っているために、ペンが垂直に立ってしまっている人がいます。この持ち方は無駄な力が入りやすく、書く線が不安定になってしまいます。

 

手に余計な力が入ると、字が小さくなりすぎたり、クセ字の原因になりますので注意が必要です。

 

悪い例3:指が重なっている

ペンを持つ人差し指と親指が重なっている例です。

 

ペンを持つ位置がおかしかったり、指先だけで書こうとする意識が強いとこのような持ち方になってしまいます。

 

実は、サイト管理人である私が以前この持ち方で書いていました。今思えば変な持ち方をしていたもんだと思いますが、当の本人はなかなか気付かないものです。

 

この例に限らず、もしあなたもいずれかの悪い例に該当しているのであれば、時間をかけてでも矯正していくことが、きれいな字を書く近道だと思います。

 

ペンを持つ際の力の入れ方

きれいな字を書くためには、見た目の持ち方はもちろん大切ですが、力を入れるポイントも見逃せません。これまであまり意識していなかった方は、これを機会にぜひチェックしてもらいたいと思います。

 

力を入れるべき意外な指とは?

あなたはボールペンを持つとき、力をどのくらい入れているでしょうか?また、どの指に一番力を入れているでしょうか?

 

おそらく多くの方は、ペンを持つ指、つまり「親指、人差し指、中指」に力を入れていると思います。直接ペンを握るその3本の指に力が入るのは自然なことなのですが、ずっとその状態で書き続けると手はかなり疲れてしまいます。

 

さらに、その3本の指だけに力を入れてみると分かると思うのですが、腕の上側にだけ力が入った状態になります。すると、腕の上側の筋肉だけを使って字を書くことになるので、肘を思うように動かせないためきれいな字を書きにくくなってしまいます。

 

ペンを持つ際には、ある程度の力もちろん必要なのですが、どの指に力を入れるかが大切になってくるのです。

 

安定してボールペンを持つことができ、書き続けても疲れないためのポイント・・・それは「小指」に力を入れることです。

 

小指がポイントとなる理由

正しいペンの持ち方のポイントとして「小指に力を入れること」が大切であると説明しましたが、それを実感してもらうために実際にやってみたいと思います。

 

まず、小指に軽く力を入れてみて下さい。すると、手のひらの中心と下の部分に自然な力が入ると思います。この部分を支えにしながら、ボールペンを握ってみて下さい。ペンを持つ腕の下側に力が入っていることが分かりますでしょうか。

 

腕の上側ではなく下側に力が入ることで、その力が肘に連絡されるようになるので上手に肘を使うことができます。つまり、「上手に肘を使うことができる=きれいな字を書きやすくなる」という関係が成り立つというわけなのです。

 

また、副次的な効果として、肘を使うようになると自然とお腹に力が入りますので、姿勢がよくなるのもメリットと言えるでしょう。